マイレージプログラム活用 〜マイル (アライアンス) にこだわり過ぎない〜

航空機を用いた旅行で押さえておく必要がある要素にマイレージプログラム(他の言い方として、マイル、FFP : Frequent Flyer Programなど)があります。マイルを貯めるというフレーズは、すでに一般的かと思います。

マイレージプログラム・アライアンス

マイレージプログラムは、単一の航空会社で運営されていますが、グローバル全体をカバーしようとすると路線は限定的で制限が出てしまいます。そうした点を解消するために航空会社間ではアライアンスが組まれ相互にコードシェア、マイレージプログラムも融通、それが複数の会社間で行われ、最終的に3つの企業連合(アライアンス)に集約されています。

  • スターアライアンス
    26のメンバー航空会社を持ち、就航空港は1,300、3大アライアンスの中で最大勢力です。特にヨーロッパ(10社)アフリカ(3社)は他アライアンスより充実、こちら方面によく行かれる方にはおすすめです。それよりも日本の航空会社のANAが参加していることがきっかけでこのアライアンスを贔屓にしている方が多いですかね。
  • ワンワールド
    14のメンバー航空会社でありながら、5大陸の航空会社を全てカバーできていた唯一のアライアンスでしたが、南米のLATAMが抜けてしまって陣形が崩れてしまいました。それでも加盟航空会社はいずれも各国ナショナルフラッグキャリア、少数精鋭のちょっとお高くとまった感じがイケ好かない感じもありますが、日本からはJALが加盟しておりファンも多いです。
  • スカイチーム
    19のメンバー航空会社が加盟しています。中国東方航空、アエロフロート、(最近は渋めですが)チャイナエアラインとそこそこお安い航空券を出してくれる航空会社が多い印象です。ただ、日本の航空会社の加盟がなく、日本をHUB空港としていたデルタ航空も羽田再拡張に合わせて東京発着便は羽田に集約・減便、以遠権を使った東アジアのHUB機能は大韓航空のいるソウルに移してしまいました。若干日本からは使いづらくなりつつあります。

同一のアライアンス内では相互にマイルを貯める/利用することが可能です。そのため、もし1つのマイレージプログラムを選ぶのであれば、これらのアライアンスに加盟している航空会社のプログラムを選ぶのが使い勝手がよいかと思います。

しかし、これらアライアンス加盟の航空会社は一番大きなスターアライアンスでも26社、世の中には800程度の航空会社があることを考えるとかなり限定されてしまうことになります。航空券を探す際、あまりこのアライアンスにこだわりすぎると、スケジュールの柔軟性や価格面での制約になってしまいます。

逆に、マイルにこだわらずに自由に航空会社を選択しすぎると、それぞれのマイルが分散し、期限切れになってしまうことなどもあり、バランスが重要になります。

マイレージプログラム・アライアンスに拘りすぎない

私たちの場合は多くても年3回程度の旅行で、そのうち年1回程度のヨーロッパなど長距離フライトでは座席にゆとりのあるビジネスクラスを積極的に利用しています。コストを抑える方法としてはエコノミーで買ってマイルもしくは当日アップグレードという方法もありますが確実でないので基本的にはキャッシュで手配しています。そのため、値段が最優先でアライアンスには拘っていられないのが実状です。そんな感じなのでマイルに関しては「特典航空券と交換できるレベルまで貯まればラッキー」くらいのスタンスで接しています(近距離の旅行に関してはLCCなども活用しその場合はマイルは貯めていませんし・・・)。

ただ、ビジネスクラスの長距離往復ではボーナスマイルも付き結構貯まります。例えばヨーロッパ、ANAだとエコノミーでも15〜20万円程度かかり一方で貯まるマイルは加算率が50%で6,000マイル程度だったりしますが、アエロフロートですと、セールだとビジネスクラスでも20万円強で買えます。あまり人気のない航空会社ですが、ビジネスクラスとなるとシートも機内食も格段にいいです。マイルに関しても、格安ビジネスでも125%以上つくところが多く、13,000マイル位は貯まります。乗り継ぎになりますので多少時間はかかりますが、ビジネスクラスのフライト自体、またトランジットでの弾丸観光などを楽しむことができれば、その点はデメリットにもならないかと思います。

Aeroflot (アエロフロート) SU261 (東京成田 → モスクワ) ビジネスクラス搭乗記

アエロフロートの到着前の軽食も個性的です。コストパフォーマンスとして最強かと思います。

スカイチーム

デルタ航空 Skymiles

そんな私たちが結構活用しているのは、デルタ航空のスカイマイルです。デルタ航空が所属するスカイチームは、割安のチケットを出す航空会社が多い(先の例であげたアエロフロートもスカイチーム)のと、貯めたマイルに有効期限がないためマイル失効を気にせず貯められるところが魅力です。デルタアメックスのクレジットカードを作ると利用金額次第で上級会員を維持できます、プラスでマイルが貯まりまったり、ラウンジに入れたりしますのでスカイチームをよく使う方は検討してみてはいかがでしょうか?

私たちは2016年貯めに貯めた16万マイルを使って、アフリカまでの片道ビジネスクラスを2名分発券しました。遠く行きにくいところに快適なビジネスクラスで行けるのは、特典航空券の醍醐味といえるかと思います。

使用マイル:80,000マイル(1人)
片道:羽田 → パリ → ヨハネスブルグ エールフランス(ビジネス)

デルタ スカイマイル特典航空券のお得な使い方はアフリカ!

エールフランスでアフリカ大陸を縦に縦断、赤道を超えて南半球に!

他にも、成田 → 香港(往復)や、成田 → グアム(往復)などにも交換していましたが今思えばあまり効果的な使い方ではなかったですね。

スターアライアンス

スターアライアンスに関しては、ユナイテッド航空のMilage PlusとANAのマイレージクラブを使っています。

ユナイテッド航空 Mileage Plus

ユナイテッドのマイレージプラスは、デルタスカイマイル と同じく、有効期限がないのがメリットです。普通は有効期限が3年程度ですので、その間に十分貯められない方はマイレージプラスに貯めるのがいいかと思います。

とはいえ、スカイチームに比べるとあまり貯められておらず、利用したのはソウルからヨーロッパ行きの航空券を海外発券した際に、東京からソウルまで往復するのに使いました。

使用マイル:30,000マイル(1人)
往路:羽田 → 仁川 アシアナ航空(エコノミー)
復路:仁川 → 成田 ユナイテッド航空(ファースト)

東京ーソウルは2時間程度の短い区間ですので往復エコノミーでも良かったのですが、ふとファーストがビジネスと同じマイル数でとれた(おそらく席だけファースト、機内食サービスなどビジネスと同じ)ので片道はファーストクラスにしてみました。短い区間ですがファーストクラスのシートに座るいい機会となりました。

最近はビジネスクラスの進化が著しいですが、2012年当時この広さはなかなか贅沢でした。

ANA Mileage Club

アライアンスよりも日系でファイブスターエアラインのANAがたまたまスターアライアンスだからという人も多いかと思います。ANAマイレージクラブは、ANAを贔屓にされている方、もしくは陸マイル(オカマイル:クレジットカードとか日々のポイントでマイルを貯める活動)で貯めようとしている方には最適です。ワンワールドのJALもそうですが、日系2社のマイレージプログラムは、海外の航空会社に比べてインフレが少ない(少ないマイルで特典航空券に交換できる)のもいい点ですね。

2016年、私(旦那)は仕事でANAでの出張が多くなったためスタアラの貯め先をユナイテッドからANAマイレージクラブに変更、クレジットカードもANAマイルが貯まるものにして貯めまくりました。で、2019年に22万マイル(一人当たり11万マイル×2人分)を使って、アジア・アフリカ・ヨーロッパの大周遊を実現しました。アライアンスの特徴で記載した通り、スタアラはアフリカ、ヨーロッパはかなり強力ですので、工夫次第でいろいろなルートが取れるかと思います。

使用マイル:110,000マイル(1人)
往路:羽田 → シンガポール ANA(ビジネス)
シンガポール → 香港 シンガポール航空(ビジネス)
香港 → ヨハネスブルグ 南アフリカ航空(ビジネス)
復路:ヨハネスブルグ → カイロ エジプト航空(ビジネス)
カイロ → ブダペスト エジプト航空(エコノミー)
ウィーン → 成田 オーストリア航空(ビジネス)

ANA特典航空券でアジア・アフリカ・ヨーロッパ周遊

広いアフリカの大地、朝日が眩しいゼ!

ワンワールド

最近はそうでもないですが、以前はお高いチケットしかない航空会社ばかりでしたので、ほとんど活用できていないです。

コロナでキャンセルすることになってしまいますが、2020年11月にカタール航空ビジネスクラスでヨーロッパ往復(ロンドンin、ミラノout)のチケットを手配していました(これもセールで一人当たり250,000円)。Qsuite乗ってみたかった。。。計算ではこの1回の旅行で一人当たりJALに20,000マイル貯められ、少なくとも国内線1往復に使える算段だったのですが・・・

使用マイル:20,000(1人)
往復:羽田 → XX JAL(国内線) ほか

非3大アライアンス系マイレージプログラムの活用

IATA(国際航空運送協会)加盟の航空会社だけで265社もありますので先の3大アライアンスに加盟していない航空会社に乗る機会もあるかと思います。というか、アライアンスに加盟していないからという理由で、200社の航空会社を対象外としてしまうのはもったいないとも思います。ここでは、非3大アライアンス系のマイレージプログラムの活用事例をご紹介します。

エティハド航空 Etihad Guest

オイルマネーで発展著しい中東御三家の1つエティハド航空はここ数年、年に1、2度結構お得なセールを行っているのでチェックしています。私たちが利用した2015年のケースでは、ヨーロッパまでのビジネスクラス往復が20万円弱からでていました(2014年、2016年は利用期間の限定がありましたが15万円台からありました)。エティハドはANAと個別に提携しており、当初はANAマイレージクラブに加算する予定でしたが、エティハドのマイレージプログラムEtihad Guestでトリプルマイルキャンペーンなるものを実施していたためそちらに登録しました。Etihad Guestは家族で一つの口座に集約して貯めることができるのも特徴の一つです。結果的に1回の旅行(2人分合算)で14万マイルほど貯めることができました。

ここまではよかったのですが、提携航空会社の特典航空券手配がうまく行きませんでした。こういうところの品質が確かに弱点ではありますね。電話での手配となるのですが、ことごとく空きなし、仕方ないので、Webから手配できるエティハド航空の最短距離、中部 ⇔ 北京のビジネスクラス航空券2人分を使って2018年のGWに中国を旅行してきました。さらに余りがありましたので、Chaumetのサングラス+置物なども。まあ、これだけで15万円程度(ビジネス航空券5万円×2、サングラス5万円)の価値はあったと思います。1回のヨーロッパ往復でこれだけ還元できれば十分価値はあったと思います。

使用マイル:45,000マイル(1人)×2
往路:中部 → 北京 エティハド航空(ビジネス)
復路:北京 → 中部 エティハド航空(ビジネス)
使用マイル:50,000マイル
サングラス Chaumet、置物

自社マイレージプログラム加算のメリット

また、幸運にも東京ーアブダビ区間でファーストクラスへアップグレードしてもらいました♪ 数ある候補者の中から私たちが選ばれた理由は、高いチケットだったということではないですし、溢れ出る品格というわけでもなく、「自社FFPの会員」であったことが有力かと思います。これも柔軟なスタンスのアプローチをとっているメリットの1つかもしれません。

完全個室になるファーストクラスでの12時間は最高でした。

Etihad Airways (エティハド航空) EY871 (東京成田 → アブダビ) ファーストクラス搭乗記

エミレーツ航空 Skywards

2016年ケープタウン から羽田に帰ってくるルートで有償で乗りました。JALに貯めようと思っていたのですが、なぜかドバイ-羽田の区間は積算対象外ということで、Emirates Skywardsに貯めました。ケープタウンから羽田の片道ですが、10時間弱のフライト×2ですので、16,000マイルになりました。それ以降エミレーツに乗る機会もなく、2020年5月に有効期限切れに。

中途半端なマイルで特典航空券としては使えるところがなかったのですが、交換先にヒースロー Rewardsというポイントがありました。2020年秋にロンドンに行く予定にしていましたので、ヒースロー空港で使える40 GBP(5,500円)分のポイントに交換しています。ヒースローエクスプレス(成田エクスプレスのロンドン版)のチケットを買うこともできます。

使用マイル:12,000マイル(1人)
ヒースロー リワード:40GBP(5,500円)分

特典航空券であれば通常1マイル1.5円以上の価値になりますが、こうしたクーポンは不利ですね、ゼロよりましですが。

こちらもコロナのせいでロンドン行きがキャンセルになりました (T _ T)
2023年まで有効なのでおそらくゴミになるでしょう・・・

ハワイアン航空 Hawaiian Miles

2019年9月に4人でハワイに行きました。ハワイアン航空は①値段がお手頃で、②便利な羽田発着、③コナにも直行便あり、④乗った時からハワイの空気という4つのメリットに加え、さらにこのマイレージプログラムも、とあるクレジットカードを持っているとその名義人の口座に手数料なしでまとめられるというテクニックが使え早速活用しました。

ハワイアン航空 Hawaiian Miles攻略

結果1回の旅行で8万マイル(4人分合算)を貯められました。JAL国内線6フライト分(1区間12,000マイル)になりました。期限がないのもメリットです。

使用マイル:12,000×6フライト(予定)
片道:羽田 → XX JAL(国内線) ほか

ハワイアン航空は乗った時からハワイの空気が感じられなかなか良かったです。

まとめ

マイレージプログラムは、絞らないと貯まらないし、絞り過ぎるとそれはそれで制約になってしまいます。バランスを取るのが非常に難しいところですが、うまく活用できた時の効果は絶大です。有効期限があるプログラムの場合はその期間内に貯められるか、あとは逆に使い切れるかの見極めが重要です。

3大アライアンスの中では、スカイチーム、スターアライアンスは有効期限のないマイレージプログラムを提供している航空会社があります。貯めきれない、逆に使いきれないという方はそうしたプログラムを活用するのがいいかと思います。ワンワールドには残念ながらそうしたマイレージプログラムはないのでその場合は利用できる最低マイルの少ないJALがいいでしょうかね、「どこかにマイル」であれば6000マイルで往復できます。

3大アライアンスに加盟していなくてもキャンペーンのタイミングや工夫によっては使えるレベルまで貯められるマイレージプログラムもそこそこ見つかる感じです。特にビジネスクラスを活用する場合などは1回で達成できることも結構ありますので調べるだけ調べてみるのもアリかと思います。

ということでマイレージプログラムは非常に攻略しがいのある制度です、私たちも引き続き精進したいと思います。貯めるだけでなくご利用も計画的に・・・

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