元マンダリンオリエンタル Artyzen Grand Lapa Hotel(アーティゼングランドラパ)

1990年台中盤、大学に入りたての私(旦那)が友人と共に香港・マカオを放浪した際に、いつか再びここに戻ってくるぞと心に誓ったホテルです。当時資金的に余裕のない学生だった私(旦那)は、マンダリンオリエンタルだったこちらのカジノで、帰りの香港へのジェットフォイル代を含むHK$ 500(8,000円相当)を「大小」に賭け、見事勝利、無事資金を増やし香港に戻れたという思い入れのあるホテルです(当時の私(旦那)の物価を考えると結構大きい金額だった)。勝負に勝った後、ロビーでのピアノの生演奏を聴きながら、2階のカジノ部屋からこの大階段を降りた時の記憶が鮮明に残っています、いやーそれにしても帰れて良かった。

時は経ち、1999年マカオは中国に返還され、タイパ島とコロアネ島の間の海は埋め立てられコタイ地区ができ、そこに内地の方をターゲットにしたベネチアンリゾートを代表とする統合型リゾートが林立しました。それまでカジノは、マカオ半島側のリスボアとこのマンダリンオリエンタルが中心でしたが、人の流れが変わったこと、設備が古くなったことでマンダリンオリエンタルはこのホテルを地元資本の企業に売却、今はアーティゼングランドラパとして運営されています。今回は珍しくそうしたノスタルジーも感じつつ、当時想像していた形とは若干違いますが滞在してみることにしました。

(栄枯盛衰?元マンダリンオリエンタルが今となっては朝食付きで2万円弱、お安く泊れるようになるとは、、、でも当時からリスボアのギラギラとは違い落ち着いた感じは変わっていません)

マカオの目的&立地

今回のマカオ訪問の一番の目的は、グランドリスボアにある広東料理レストランThe 8(エイト)に万全の体調で再訪することです。そのレストランに2015年に初めて訪れた時は、コース中2、3の料理が感動レベルでしたが、お昼を食べ過ぎていたため最後まで満喫することができませんでした。ということでディナーはマカオ半島で決定です。で、マカオは、急速に観光客が増えた一方で公共交通の整備が追いておらず、夕方のタクシーは大行列、場所によっては1時間以上並ぶことになります。各ホテルが提供しているフェリーターミナルからのシャトルを乗り継いで向かうという手もありますがそれもメンドクサイ、多少距離があっても散歩がてら歩ける範囲で探したいというのも、このグランドラパを選んだ理由の一つです。

グランドラパは、少なくとも20年以上前にはあったということで、マカオ半島側のフェリーターミナルからも歩ける距離、リスボアに続く旧来のメインストリート沿いに立地しています。当時は海に臨んでいたのですが、周囲が埋め立てられ建物に囲まれてしまったのは残念です。それでもゆったりとした敷地に中低層の建物で構成された贅沢な空間が特徴です。派手派手になる前のポルトガル領だったころの素朴なマカオの雰囲気が残っている数少ないホテルの一つです。

ロビー&カジノ

1990年代に訪れた際、2階のこじんまりとしたカジノで言葉通りギャンブルに勝った後、この階段を降りる時の安堵感を今でも覚えています。当時のロビーは、ピアノの生演奏の中、ソファはもっと華やかでおしゃれをした人たちが談笑していたという違いはありますが、当時の面影を残しています。

当時からカジノは派手派手なリスボアに対して、落ち着いた大人な雰囲気がこちらの特徴でした。もうカジノはしませんので入りませんでしたがこの大階段とカジノの位置関係は当時のままです。ここのカジノはテーブルゲームのみでこじんまり、スロットマシーンのようなものはなくある程度上級者向けです。

カジノをやらなくなったのは、中毒になったとか更生したというわけではありません。当時マカオでカジノ初体験の後、日本に帰って攻略法を調べたところ、ブラックジャックが唯一、カードカウンティングという戦略をとることでプレーヤーが勝てるゲームであるということを知りました。

その後は、ブラックジャック専門でソウルのウォーカーヒルを中心に遠征を繰り返していましたが、シャッフルマシーンの登場によりその戦略も不可能になりました。カードカウンティングは、場に出たカードに対応したスコアを全て計算し続ける必要があり、もう楽しみというよりは疲れる作業になります。その一方で、得られる対価は、(元手によりますが)普通に働いた方が全然割りがいい感じです。カジノというと、当時の疲労を思い出し足が遠のくという連想になってしまいました。

脱線ついでに、2008年にこのカードカウンティングを元にしたマニアックな映画が公開されました。今はカウンティングプレイヤーは排除できる権利がカジノ側にありますし、映画ではかなりデフォルメされており、そこまで場がプラスに偏るケースはそうそうありませんが、こんな世界&時代もあったということで、気になる方は是非!

ラスベガスをぶっつぶせ – Wikipedia

実際ブラックジャックをやるのであれば、カウンティングではありませんがベーシックストラテジーは把握しておきましょう。これだけでも資金の減りは相当抑えられ十分長時間楽しめると思います。運が良ければ勝ちきれることもあるかもです。

ブラックジャック – Wikipedia

部屋

道路側よりもプール側の方が人気のようですが、もう建物に囲まれてしまっていますのであまり大差ありません。1泊だけですし、ほとんど部屋にいない予定ですのでDeluxe Roomで予約、アサインは高層階のプール側でGrand Roomのカテゴリの部屋と思います、ありがとうございます!が、たぶん大差ありません。

Grand Lapa Hotel (グランドラパ) : 部屋 Grand Room

レストラン

Café Bela Vista

朝食付きプランで指定されたのがこちらのレストランでした。窓や天井などコロニアルな感じで昔のポルトガル統治時代の雰囲気が感じられました。入り口の石畳もポルトガルっぽくていい感じです。

Grand Lapa Hotel (グランドラパ) : 朝食 CAFE BELA VISTA(カフェベラビスタ)

その他設備

ショッピングアーケード

今となっては、人の流れが変わってしまい、コタイ地区&リスボア・MGMあたりに大型のショッピングモールが林立している中、特に機能している訳ではないです。この辺は寂しいところですね。

プールなど

以前は海に面しており、黒金の圧迫感のあるSandsもありませんでしたので十分リゾートを感じられたのかもしれませんが今となっては微妙ですね。ただ、土地の限られたマカオにおいて、コロニアルな低層のレストラン、お店が併設したこれだけの広さのプールを持っているホテルは他にないかと思います。しいて言えばコロアネ島南側のGrand Coloane Resort(旧ウエスティン)でしょうか…

まとめ

だいぶ周囲は変わってしまいましたが、20年前に訪れたマンダリンオリエンタルの当時の面影が残っておりノスタルジーを感じられました。最近の派手派手なマカオとは違い、落ち着いた雰囲気ですので、マカオらしさの捉え方によっては好みは分かれるかと思います。

最近のマカオの本流のイメージとは違いますがその分リーズナブルな価格設定ですので、価格、利便性、落ち着いた雰囲気を重視する方にはおススメできるかと思います。基本設計は古いですが、部屋自体はリノベーションされており快適に過ごせます。本流ではないですが、ポルトガル領時代のノスタルジーをめぐる拠点などとしてはいいかもしれません。

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