GHAディスカバリー(Global Hotel Alliance Discovery)というロイヤリティプログラムを知っていますか?

ヒルトンのHHonorsやマリオットのBonvoyと同じくホテルのロイヤリティプログラムなのですがこれがなかなかいいのです。日本ではほとんど認知されていないと思いますのでご紹介します。

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GHAディスカバリーの特徴

人気のあるヒルトンのHHonorsやマリオットのBonvoyなどのロイヤリティプログラムは、単一のホテル運営会社で提供されています。それに対しこのGHA Discoveryはそれほど大きくないホテル運営会社が複数集まって一つの共通プログラムを形成しています。名前にAllianceが入っている通り、どちらかというと航空会社のアライアンスに近い感じです。

そのため、単一のプログラムでありながらホテル運営会社、ブランドの多様性が広く、ハイグレード路線からカジュアル路線まで幅広いラインナップで構成されています。また、運営会社も複数あるので、特定の地域で展開するブランドでは地域の特色のあるホスピタリティを期待できたりと、画一的なサービスがあまり好きではない私たちにとって魅力的なプログラムです。

ロイヤリティープログラムの一覧はこちらをどうぞ

ホテルチェーン ロイヤリティプログラムの比較

参加ブランド・ホテル

ブランド数は35で他プログラムに対して多いですが、プロパティ数(ホテル数)自体は580とそれほど大きくはありません。ちなみにプロパティ数(ホテル数)としては、マリオットが7,000で最大 > ヒルトン 6,100 > インターコンチネンタル 5,600程度 > ハイアットが900といった具合です。ハイアットは知名度は非常に高いですが何気にプロパティ数は少ないですね。

ブランドに関しては、知名度はそれほど高くないかもしれませんが、以下のようなブランドがあります。

ケンピンスキー (Kempinski)

ドイツを本拠地とするホテル運営会社で全世界で70強のホテルを運営しています。主にヨーロッパでの展開ですが、最近では特に中国に力を入れています。個人的な感覚ですが、グレードとしてはヒルトン、マリオットと比較するとそれらよりちょっと高め、それぞれのグループでのブランドとしては、コンラッド、JWマリオットあたりに相当する感じでしょうか。

こちらはトルコ、イスタンブールのチュラーンパレスケンピンスキーです。いつかは泊まってみたいと思っていたホテルです。ボスポラス海峡を望む最高のロケーションでした。

チュラーンパレスケンピンスキー

アウトリガー (Outrigger)

アウトリガーは、日本人がよく行くハワイ、グアムにありますので知っている方も多いかと思います。ハワイを起点に、オセアニアに10のリゾートホテルを展開しています。ヒルトンやシェラトンに比べて同等か若干カジュアルなポジションの印象です。

ハワイでは、貴重なワイキキビーチのビーチフロントに2つのホテルを持っています。こちらはそのうちの一つアウトリガーリーフワイキキビーチリゾートです。間口は狭いですけど貴重な立地です。

アウトリガーリーフワイキキビーチリゾート

アナンタラ (Anantara)

Anantaraはタイを本拠地として世界に42のホテル&リゾートを展開しています。いずれも優雅でリゾート感が最高です。バンコクのアナンタラサイアムは、高層ビル街であるサイアムのど真ん中にも関わらず、広い敷地に優雅な棟配置、ロビーラウンジで提供されるアフタヌーンティーが最高でした。

アナンタラサイアムバンコク

他にも35ブランド

他にも以下のようなバリエーションのあるブランドが参加しています。

  • パンパシフィック : シンガポールを中心に環太平洋で展開しているチェーン、一時期日本にも展開していましたが、今は自社プロパティは持っていません。
  • マルコポーロ : 香港を中心に中国本土、フィリピンに展開しています。香港のはチムサアチョイの先端で便利な立地です。
  • リーラ : インドの高級ホテルチェーンです。ハードシップが高めの国ですのでホテルくらいはブルジョアな感じを味わってみたいものです。
  • コリンシア : マルタの貴族が始めたホテルチェーンです。かなり拘りが感じられ、ヨーロッパ、北アフリカで10弱のホテルを展開しています。
  • ルンガルノコレクション:名前が違うので分かりにくいですがフェラガモが運営するホテルチェーンです。アメニティは全てフェラガモです。
  • カペラ:2018年にアメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による史上初の米朝首脳会議が行われたのがこのカペラホテルです。

と、地域に密着した個性的なホテルブランドが参加しており、バリエーション豊富でありながら、同一のロイヤリティプログラムでベネフィットが得られるというのは他にない特徴かと思います。

参加プランドの詳細は以下をご覧ください。5つ以上のブランドを知っている方はホテルマニアを自称してもいいかもしれません。

https://www.discoveryloyalty.com/Hotel-Brands

2017年から活用してきていますが何気に入れ替わりが激しいです。かつては、トルコのリクソス(Rixos)や、インドネシアのアリラ(Alila)などのリゾートホテルなどもいましたが、いつのまにかいなくなっていました。一方で、スコータイ(Sukhothai)やフォション(Fauchon)が参加しており、常に35ブランド程度は維持しています。

地域展開

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地域別のホテル数としては、中東が過剰なくらいに充実、東南アジア、中国は、選択に困らない程度には充実しています。ヨーロッパは場所によっては若干手薄、南米は今後是非充実させてほしいところです。

日本に関しては、2017年に活用し始めたときには1件もありませんでしたが、2020年3月現在東京に1件、そして年内に京都にもう1件の加盟ホテルができる予定です。何をしたわけでもありませんが、注目してきた側からすると非常に感慨深いです。

日本の参加ホテル

セルリアンタワー東急ホテル(東京)

非常に複雑というかなんというか、、、「セルリアンタワー東急ホテル」です。名前の通り東急ホテルズのフラッグシップホテルで渋谷から徒歩5分の5つ星ホテルです。東急ホテルズは今までパンパシフィックホテルと提携関係があったようで、みなとみらいの特徴的な外観を持つ今の「横浜ベイホテル東急」は、かつては「パンパシフィックホテル横浜」として運営されていました。現在はこのセルリアンタワー東急ホテルだけパンパシフィックとのパートナー契約が残っているようでパンパシフィックブランドとしての参加となっています。

これも縁、オリンピックもありますのでぜひ東急ホテルズ全体としての加盟も考えてほしい所です。

セルリアンタワー東急ホテル

https://www.discoveryloyalty.com/Pan-Pacific/Cerulean-Tower-Tokyu-Hotel-A-Pan-Pacific-Partner-Hotel/

そうした経緯もあり、残念ながらホテルのWebサイトにおいては、パンパシフィックのパートナーホテルである旨もGHA Discoveryの文言も見当たらず、正面からの参加ホテルとは言えない状況です。

提供されるローカルエクスペリエンス(詳細は後述します)は5つあります。いずれもStay Required(利用するためには宿泊が必要)ですので、私たちは東京在住で泊まることはないので使う機会はありませんが、甲冑を着て写真を撮るエクスペリエンスなどは日本らしく外国からのゲストに人気となりそうです。トランスファーもベンツの大型車で人数は3人までということですのでそれなりに利用価値は高いかと思います。時間制限が朝9時から夜7時までということが24時間空港に対して若干ネックです。

 

セルリアンタワー東急のトランスファー

個人的には、No Stay Required(宿泊しなくても使える)の分類で、レストランでのダイニングエクスペリエンスが提供されるとありがたいです、そちらも是非!

フォションホテル京都 (Fauchon L’Hôtel Kyoto)

フォション(Fauchon)って知っていますよね(写真は公式サイトより)。1886年パリ創業のフードカンパニーです。日本では食品よりも紅茶で有名かもしれませんね。私たちはかつてエールフランスに乗った際にフォションのサブレ(写真上黒白のパッケージ)がもらえて喜んでいました。

エールフランスで提供されるフォションのサブレ (2016.6)

そのフォションが、ホテル事業を始めたようです。期限は定められてないようですが今後全世界に20程度までプロパティを増やしていく計画のようです。

Fouchon L’Hôtel Paris

フランスの会社ですので第1号はパリ、2018年に54室のブティックホテルをオープンさせています。場所はマドレーヌ寺院の西隣という好立地で、北東に向かえばプランタンやギャラリーラファイエットなどショッピング街、南に向かえばコンコルド広場、セーヌ川といった観光スポットという絶好のロケーションです。オペラガルニエも徒歩圏、オランジュリー美術館、オルセー美術館も余裕、ルーブル美術館も頑張れば歩けます。マドレーヌ広場前にあるショコラティエPatrik Rogerは私たちのイチオシ、超オススメです。

このホテルはThe Leading Hotels of the world(LHW)にも加盟ということでそれなりの気合いが感じられます。

ホテル公式Webサイト 

https://www.hotel-fauchon-paris.fr

フォションホテルパリ

Fouchon L’Hôtel Kyoto(京都)

そのフォションが2件目の進出先として選んだのが、我らが日本、インバウンド一番人気の地、京都ということです。2020年内ということですのでそう遠くない未来ですがCOVID-19の影響で延期されるかもしれません。

ハードとしては、どうもホテルサンルート京都が売却されてフォションホテルにリノベーションされる様です。ハードもソフトもフォション側から高い要求が設定されるとは思いますがそんなに高級とは言えないホテルをベースにどこまで対応できるのか気になりますが楽しみにしています。パリと同様フォションのカフェなども併設されると信じています。

会員特典

他のプログラム同様、年間の宿泊数に応じてティア(会員ランク)が設定されています。ティアとしてはゴールド、プラチナ、ブラックの3段階あります。そして、このティア獲得に必要な宿泊数が非常に少ないです。プラチナで10泊、最上位のブラックで30泊です。

さては大したメリットはないんじゃないの???と思いきや、主要なベネフィットは以下の通りです。

  ゴールド
プラチナ
ブラック
条件 入会 10泊クレジット 30泊クレジット
会員特典
水2本
インターネット
ローカルアメニティ  
ローカルエクスペリエンス*  
ルームアップグレード    
2カテゴリールームアップグレード    
15時までのレイトチェックアウト    
18時までのレイトチェックアウト    
9時からのアーリーチェックイン    

 

10泊のクレジットで得られるプラチナティアでも、部屋のアップグレード午後3時までのレイトチェックアウトのベネフィットが得られます。最上位のブラックでは2カテゴリーアップグレード!これは他ではあまり見たことがないです。朝9時からのアーリーチェックイン、午後18時までのレイトチェックアウトも可能です。

ちなみにヒルトンの場合、アップグレードのベネフィットが得られるゴールドに必要な宿泊数は40泊です。いかにこのGHAディスカバリーの条件が甘いかお分かりでしょうか。

更に例年2回、5〜6月と11月くらいにダブルナイトクレジットキャンペーンなるものが行われており、その期間1泊で2泊分のクレジット加算となります。この期間であれば5泊でプラチナ達成です。これなら自力でも上位ティアを狙えるという方も多いのではないでしょうか?

会員特典は以下を参照下さい。

https://www.discoveryloyalty.com/Membership-Benefits

日本語での説明は、加盟ホテルの1つであるアウトリガーのサイトが参考になります。

https://jp.outrigger.com/discovery-program/member-benefits

経験値 (Local Experience) とは?

先ほどのベネフィットの中で、他のロイヤリティプログラムで見慣れないものがあったと思います。そうローカルエクスペリエンスの獲得(経験値の獲得)、、、まるでロールプレイングゲームのようです。

これが、このプログラムのもう一つの大きな特徴になります。ほかのプログラムでは大体、利用金額に応じた無料宿泊での還元がありますが、このDiscoveryではそれがありません。その代わりに、ホテルでの食事や、SPA、送迎サービス、現地ツアーなどの「Local Experience(現地の体験)」を受けられます

この「現地の体験」の権利は、プラチナ、ブラックのステータスの状態で、1暦年で新規のブランドに宿泊した際に得られます。例えば、2018年にプラチナのステータスで、ケンピンスキーに宿泊 → 1プラチナ「体験」獲得、その後マルコポーロに宿泊 → +1プラチナ「体験」獲得、その後、別のケンピンスキーに宿泊 → 既にケンピンスキーには宿泊しているのでこの滞在では得られない、計2つ獲得といった具合です。

これは、本プログラムがアライアンスの形態をとっており、参加ブランドそれぞれの顧客をお互いに送客することで、お互いに新規顧客を増やしたいという思惑から来ているのだと思います。で、顧客には、新たな開拓をするモチベーションとして、その土地やホテルが知れる「体験」を提供することで理解を深めてもらおうと。なかなかいいアイデアかと思います。

ローカルエクスペリエンスは、約550のプロパティに対して2,660の登録があります。1プロパティあたり平均で5つ程度といった感じでしょうか。価値としましては、プラチナ体験で5,000~10,000円程度、ブラック体験(この訳はいかがなものか)で8,000~20,000円程度といった感じです。これは明らかに損だろうというものから、えっ、こんなのいいの?というものまで結構ピンキリ、また、Stay Required(宿泊しないと受けられないもの)と、Not Stay Required(宿泊しなくても受けられるもの)の2種類があり、攻略のしがいがあります。

ローカルエクスペリエンスは以下から検索できます。

https://www.discoveryloyalty.com/Local-Experiences

私たちがよく使うのは、やはり夫婦揃って食への関心が高いということもあり、食事ですね。。バンコクのチャオプラヤクルーズしながらのディナーコースは、それほど大きくない船でコース形式の料理が楽しめ雰囲気とともになかなかよかったです。オススメします。

チャオプラヤディナークルーズ

まとめ

GHAディスカバリーは複数の企業、ホテルブランドをまたがったアライアンス形式のロイヤリティプログラムで、アライアンスの形とることで顧客を集めるための一定のプロパティ数を確保しています。

ブランドは35あり、バリエーション豊富です。地域としては、東南アジア、中国であればそこそこ豊富、ヨーロッパ、北米、オセアニアもまあまあ、南米は弱いです。

宿泊数によりティア(ランク)が決定され、10泊以上でプラチナ、30泊以上でブラックランクになりますが、ダブルナイトキャンペーンなどもありますので難易度は他のプログラムに比べて低めです。一方で、ベネフィットは、一番上のブラックは2ランクアップグレードなど他に見ないようなものもあり効果は大きいです。もう一つの特徴が、ポイントやキャッシュバックがない代わりに、暦年ごとに新たなブランドを開拓すると、ローカルの体験(食事やスパ、ツアー、トランスファーなど)の権利を得られるのも面白い点です。

今のとこ日本のプロパティは、セルリアンタワー東急ホテルがパンパシフィックのパートナーホテルとして、フォションホテルが京都に2020年中に開業予定です。日本国内では使いにくいですが、海外においてはそれなりに活用価値は高いと思います。いかがでしょうか?

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