祝2020年夏ダイヤ羽田国際線増便 → コロナでどうなる???

2020年3月新型コロナの本格化で、各国が設定した入国時の一定期間の隔離義務化により国境をまたがった人の移動が困難になりました。そうした状況から多くの航空会社が国際線の定期便をキャンセルしそのほとんどは未だ復活していません。ハワイなどPCR検査の証明をもって入国条件を緩和しようとしている事例もありますが、ヨーロッパなどでは未だ感染者の拡大が止まらず、日本においても、本日11月12日は過去最多の新規感染者数ということで、収束はまだまだ先になりそうな状況です。早くワクチンもしくは治療薬が開発され、インフルエンザと同様の扱いになって欲しいところです。

という、今世紀初の人類史に記されそうな出来事のせいで忘れさられましたが、実は、(関東の?)海外旅行ファンにとっては結構影響のある出来事「2020年3月から羽田の発着枠が大幅増」になる予定でした。コロナが流行ってしまい、上記のように普通に既存の定期便キャンセルが相継ぎましたので、新規開設など行われておらず、また、コロナ収束後のニューノーマルにおいてはおそらく業務渡航を中心に渡航者数が元に戻らないため、当初予定されていた路線での開設は行われない可能性もありますが、発着枠の割り当て自体はキャンセルにはなっていないため一応まとめたものを公開しておきます。

ヴァージンオーストラリアやアリタリアなどはこの新型コロナの影響で早々に破綻してしまいましたので、長距離の新規開設・維持はなかなか難しいかもしれませんが、まだ枠を返納されたニュースはないのでそれもそのままにしておきます。ANAは、東京からの運行便を羽田に集約することで全面的な見直しを考えているようです。ANA便に関しては今後大幅に変更になる可能性が高いですが、ここもまだ発表されていないので一応当初のままにしておきます。

一方で、一部の便はすでに予約サイト、特典航空券などから手配が可能になっているようです。私たちは2021年期限ANAのマイルを持っていましたが、この状態が続き、期限が延長される保証もないので、実際に行けるかどうか分かりませんが、2021年夏にターキッシュの羽田便を含めた特典航空券を発券しました(もしフライトがキャンセルとなった場合には、期限が延長され返還されるはずです→されました)。アエロフロートなど便などもkayakなどで出てきますので実際に購入できるようです。ANAのヨーロッパ新規開設便は許可取得中ということでまだ予約できませんでした。

ということで、現状では、ここであげる増便は、有効なものと無効のものが混在していますが、特典航空券などの対応で予約しておいた方がいい場合などがあるかと思います。また、中長期においては参考にしていただければと思います。

国別配分

各国への割り当ては以下の通りになっています。

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国名 配分数(相手国企業) 配分数(日本企業)
アメリカ 12便 12便
中国 4便 4便
ロシア 2便 2便
オーストラリア 2便 2便
インド 1便 1便
イタリア 1便 1便
トルコ 1便 1便
フィンランド 1便 1便
スカンジナビア 1便 1便
合計 25便 25便

国別航空会社&就航路線

日本企業向けの25便のうち13.5便がANAに与えられており、ANAはこれに合わせてかなり積極的に投資してきたのが裏目に出てしまいました。コロナがなければ大きく成長するチャンスであり、現状はホント運が悪いとしか言いようがありませんが、ダメージを最小限に抑え回復を祈るばかりです。

アメリカ

相手国企業の就航先はアップデートありません。デルタ航空は成田で運行中の全7便のうち5便を羽田に移管、残り2便は廃止ということで完全に成田から撤退することを決めました。成田では大規模なラウンジ(スカイクラブ)を2つも有していたのですが、どこが引き継ぐのかも注目です。

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航空会社 配分数 就航先
デルタ航空(DL) 5便 シアトル(移管)
デトロイト(移管)
アトランタ(移管)
ポートランド(移管)
ホノルル(移管)
ユナイテッド航空(UA) 4便 ニューヨーク(新設)
シカゴ・オヘア(移管)
ワシントンDC(移管)
ロサンゼルス(新設)
アメリカン航空(AA) 2便 ダラス・フォートワース(新設)
ロサンゼルス(新設)
ハワイアン航空(HA) 1便 ホノルル(増便)
合計 12便  -

国内航空会社は、ANAはシカゴ増便ではなくサンフランシスコ新設ということでした。JALは更新ありません。ホノルル便にA380を投入したANAとの戦いのために、いきなり2便も羽田から開設する(1便は成田より移管、1便新設)ようです。

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航空会社 配分数 就航先
ANA 全日空(NH) 6便 ワシントンDC(移管)
ヒューストン(移管)
シアトル(移管)
サンノゼ(移管)
ロサンゼルス(増便)
サンフランシスコ(新設)
JAL 日本航空(JL) 6便 ニューヨーク(増便)
シカゴ・オヘア(移管)
ロサンゼルス(新設)
ホノルル x2(新設・移管)
ダラス・フォートワース(移管)
合計 12便  -

ということで、ホノルル便は結局何便増えたんでしょうか???

デルタ、ハワイアンが1便づつ新設、JALは1便新設ということで東京(羽田・成田)から全体で3便増便になります。加えて、JALは成田から1便移管してくるので、、、羽田発は、ANA 1 → 1便(変化なし)、ハワイアン 1 → 2便、JAL 0 → 2便、デルタ 0 → 1便で、全体で 2 → 6便に増えます。羽田の夜の雰囲気はリゾート行きのリラックスした雰囲気が広がりそうです。

そして、利便性の高い各社の羽田発便と成田発のANAの大型機A380との戦いが激化しそうです。ANAは1機500億円と言われているA380を3機(スカイマークのキャンセルを買ってるからディスカウントされてるのかな???)を割り当てていますが成田発着という利便性が弱点です。全体的に羽田の便数が少なくなるのであれば羽田のA380を解禁させて、羽田から運行できれば勝てるでしょうね。

中国

相手国側は変化なしです。

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航空会社 配分数 就航先
中国国際航空(CA) 1便 北京/首都(増便)
中国東方航空(MU) 1便 北京/大興(新設)
中国南方航空(CZ) 1便 北京/大興(新設)
上海航空(FM) 1便 上海/浦東(増便)
合計 4便  -

全日空(ANA)は予想通りの青島、深センの新設、日本航空(JAL)も予想通り大連新設、上海増便ということです。羽田からの新規就航地が3都市となり、中国組よりも攻めています。西安や重慶の内陸方面にも伸びて欲しい所でしたが、それでも既設路線の増便ばかりにならなくて良かったです。

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航空会社 配分数 就航先
ANA 全日空(NH) 2便 青島(新設)
深セン(新設)
JAL 日本航空(JL) 2便 大連(新設)
上海/浦東(増便)
合計 4便  -

最近香港のデモをさけて深センに行ってみましたが深センは未来都市のようでした(2019/11)

ロシア

ロシア側の分配がどうなるのか注目していましたが、一応予想の範囲内、アエロフロートへ1便、S7へ1便の配分でした。で、アエロフロートは成田からのモスクワ便の羽田移管で順当です、で、もう1便、S7航空の就航地はちょっと残念、ウラジオストクでした、ウラジオストクは、ANA、JALがそろって成田から新設しようとしている都市でもあり、東京(羽田&成田)から一気に3便も開設されることになります。利便性のいい羽田からのS7は、ANA、JALに取っては思わぬ伏兵になるかもです。

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航空会社 配分数 就航先
アエロフロート航空(SU) 1便 モスクワ・シェレメチェボ (移管)
S7航空(S7) 1便 ウラジオストク(移管)
合計 2便  -

日本企業への配分は、全日空(ANA)、日本航空(JAL)それぞれに1便づつの配分です。JALは成田から飛ばしているモスクワ便の羽田移管は予想通りです。ANAはその先の以遠、乗継がネックで開設するかどうか微妙かと思っていましたがモスクワ便を新設するようです。

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航空会社 配分数 就航先
ANA 全日空(NH) 1便 モスクワ・ドモジェドボ(新設)
JAL 日本航空(JL) 1便 モスクワ・シェレメチェボ(移管)
合計 2便  -

モスクワは2 → 3便と席数が1.5倍に増えるのと同時に全ての便が羽田発になり利便性が大幅向上です。JAL、S7が同じワンワールドですので、ANAがアエロフロートと提携するかと思っていましたが、どうもアエロフロートに近づいているのはJALのようです。で、JALは今までドモジェドボ空港を使っていたのですが、このタイミングで空港をアエロフロートのハブ空港であるシェレメチェボ空港に変えるようです。

個人的にはサンクトへもどこか飛ばして欲しかったのですがまあ順当な結果と言えます。

これからはロシアが熱いかと思います。ロシア訪問にはVISAが必要です。ウラジオストクは電子申請VISAで簡単に行けますが、そこ以外に行かれる場合はこちらにVISAのとり方がありますのでお役に立てばと思います。 m(_ _)m

ロシア観光ビザの取り方 〜ビザサポート&空バウチャー〜

霧にかすむモスクワはミステリアスです(2017/7)

オーストラリア

カンタスは、シドニー増便かと思っていましたが成田のメルボルン便を移管するとの発表がありました。ヴァージンオーストラリアは破綻してしまいましたので多分開設されませんね。

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航空会社 配分数 就航先
カンタス(QF) 1便 メルボルン(移管)
ヴァージンオーストラリア(VA) 1便 ブリスベン(新設)
合計 2便  -

日本企業への配分は、面白くないです。ANA、JALともにシドニーでした。ANAはすでに1便飛ばしていますが、増便するということです。パース便の移管でもいいかと思いましたが。JALは成田から飛ばしているシドニー線の移管です。

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航空会社 配分数 就航先
ANA 全日空(NH) 1便 シドニー(増便)
JAL 日本航空(JL) 1便 シドニー(移管)
合計 2便  -

オーストラリアも一気にシドニー便が2便増えて航空代金が安くなるのが期待できるかと思います。私たちも観光としてまだ一度も行ったことがないので、安くなれば行ってみたいと思います。ただ現地の物価が高いのもネックなんですよね・・・

インド

配分は双方1便づつしかありません、相手国側はビスタラ航空でした。ビスタラはインドのタタ財閥とシンガポール航空が共同出資して設立した航空会社で、日本初就航でした。2021年7月現在は週1便ですがいずれは週7で飛ばしてほしいですね。

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航空会社 配分数 就航先
ビスタラ(UK) 1便 デリー(新設)
合計 1便  -

日本企業への配分は、ANA、JALそれぞれに0.5便づつ(往路、復路どちらかを昼枠、もう一方は深夜早朝枠を活用)の割当てになっています。ANA、JALともに成田から飛ばしているデリー便の移管ということです。

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航空会社 配分数 就航先
ANA 全日空(NH) 0.5便 デリー(移管)
JAL 日本航空(JL) 0.5便 デリー(移管)
合計 1便  -

インドは軟弱トラベラーには辛い環境でした・・・(2013/9)

イタリア

アリタリアへの配分は変更ありません。就航先はローマで成田便を移管することが早々に発表されています。成田からのミラノ線は残留ということですが、発表後にANAが ↓ でミラノ線の新設を公表しましたのでどうするか・・・破綻してしまったのでローマ線の維持も怪しい状況かもしれません。

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航空会社 配分数 就航先
アリタリア航空(AZ) 1便 ローマ(移管)
合計 1便  -

これは想定外でした。新設としてもせいぜいローマかと思いきや、ミラノ・マルペンサに飛ばすとのことです。これは多分コロナの影響でなしになるでしょうね・・・

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航空会社 配分数 就航先
ANA 全日空(NH) 1便 ミラノ(新設)
合計 1便  -

ミラノを訪れた際は、サフランとパルミジャーノ・レッジャーノが香るミラノ風リゾットがオススメです。(2010/8)

トルコ

ターキッシュ航空ですが成田便を残す可能性もあるかと思っていましたが、残念ながら移管ということです。スケジュールも成田便と同様、TK198便はイスタンブール1:40発で19:25に羽田着、折り返しTK199便も羽田発夜22:50発ということで、昼間の発着枠は使わないようです。折角の食事が売りのターキッシュなのですから、両便とももうちょっと早めて欲しいところです。イスタンブールでの乗り継ぎを考えるとこの位の時間がいいのでしょうか・・・

一応、2020年10月時点ではこの便は発券できました。ターキッシュはやる気満々です。これの東京側発着空港が羽田になるだけです。

Turkish Airlines (ターキッシュ航空) TK52 (イスタンブール → 東京成田) ビジネスクラス搭乗記

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航空会社 配分数 就航先
ターキッシュ航空(TK) 1便 イスタンブール(移管)
合計 1便  -

日本企業への配分は、ANAに1便の割当てになっています。これも新設するか微妙な状況かと思います。

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航空会社 配分数 就航先
ANA 全日空(NH) 1便 イスタンブール(新設)
合計 1便  -

イスタンブール、カドキョイの雰囲気最高(2018/9)

フィンランド

相手国航空会社への配分はフィンエアーです。就航先はヘルシンキです。乗り継ぎ客を想定しており、成田-ヘルシンキ便は維持するとのことです。

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航空会社 配分数 就航先
フィンエアー(AY) 1便 ヘルシンキ(新設)
合計 1便  -

JALは成田便の移管ということです。フィンエアーが成田維持を発表しているので、流石に成田を残すのは座席数が一気に増えすぎて埋めきれないと判断したのでしょうね。

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航空会社 配分数 就航先
JAL 日本航空(JL) 1便 ヘルシンキ(移管)
合計 1便  -

ロシアの影響もうけています、ウスペンスキー大聖堂(2014/8)

スカンジナビア

予想通り、相手国航空会社は、SASグループで既設の成田-コペンハーゲン便を移管するようです。成田はストックホルム便の開設を検討すると言っていましたが、、、

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航空会社 配分数 就航先
SAS スカンジナビア航空(SK) 1便 コペンハーゲン(移管)
合計 1便  -

これは多分なしでしょうが、今のことこうなってます。

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航空会社 配分数 就航先
ANA 全日空(NH) 1便 ストックホルム(新設)
合計 1便  -

デンマーク、スウェーデンともに行ったことないですが、サルミアッキ好きとしてはいつか行ってみたいです。

まとめ

ニューノーマルで調整が入るとは思いますが、当初割り当てが実現した場合は以下のようなことが言えるかと思います。

  • 北米は、ホノルル行きの大増便となり夜9時前後はリゾート行きのまったりした空気が流れそうです。
  • 中国は、青島、大連、深センの3都市が新たに就航地に加わります。
  • ロシアは、モスクワ便がアエロフロート、ANA、JALの3社競合、激しい戦いになることが懸念されます。アエロフロートがせっかく該社保有機の中で最大の機材B777に変更しましたが、座席が埋められずA330に戻ってしまわないか心配です。関西に割り当てられるのと同じA359になったら逆にハッピーです。
  • インドは、インド側の配分、路線はビスタら航空でデリーでした。ANA、JALは成田からのデリー便の移設ということであまり面白くありません。デリーは辛いですので、リゾートのゴアとか開設してくれないかな・・・
  • オーストラリアは、ヴァージンオーストラリアが日本初就航でブリスベンに飛ばす予定でしたがなかなか厳しい状況かと思います。ワンワールドの牙城は崩れないですね。
  • ヨーロッパ方面は、ANAが攻め攻めのはずが全般的に見直しになりそうです。他社は、フィンエアーは成田維持の増便ということでしたが移管になるか?アリタリア、SAS、ターキッシュ、JALは、成田既設便の移管で様子見といった感じでしょうか。

全体としてみると、羽田空港の就航先は全体で20都市以上増え、26の国と地域、51都市位?(数え間違い対策)の就航先になる予定でした。私たちは、どうせ乗り継ぎ便を積極的に活用するので直行便で行ける都市数はあまり関係ないですが、最寄りの空港が国際空港として充実してきたことは喜ばしい限りです。お気に入りのアエロフロートもターキッシュもいよいよ羽田就航ということで非常に楽しみにしています。

定期的に最新化していくつもりですが、お気づきの点などあればご指摘いただけると助かります。

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