おとぎの国再訪計画

2021年11月現在、国内のコロナ感染者数は一旦収まりつつありますが、国外では未だに猛威を奮っている国もあり、根本的な治療薬の開発にも至っておらず、海外旅行が回復するまでにはもうちょっと時間がかかりそうです。

当ブログとしても、本来は年3回程度は旅行に行くことを前提に更新間隔を決めていましたが、正直なところストックが足りなくなりつつあり、、、過去の旅行を掘り起こそうかと思います。こちらは2014年ということで7年前ではありますが、プランニングという点では客観的に判断してもそれほど古臭さは感じられず、もう一度回ってみたいと思うプランでもあります。コロナ明けの旅行先候補としても参考になれば幸いです。

行きのトランジットでは遅延でひやっとしましたので、別手配の乗り継ぎにはご注意ください。

2014年はどこに行く?

2014年の春、その時のSummer Vacationとしてどこに行くか、、、サーチャージがかなり高い年だったこと、今と比べると予算が若干シビアだったこともあり、安いビジネスクラスを探すもののあまりいいのが見つからない状況でした。前年は、インド・ネパールという南アジアでしたし、ヨーロッパ方面に行きたいところですが全面的に高い、ヨーロッパの中では距離的にも近いロシア・モスクワが一段安い状況でした。

予算的に格安な航空会社は、ネガティブな評判が多い中国東方航空ではありますが、、、方向としてモスクワは2012年に訪れておとぎの国として好印象であり、ロシア第二の都市であり、北のパリと呼ばれているサンクトペテルブルグには是非訪れてみたいと思っていたところです。サンクトを中心にプランニングを考えてみることにしました。

サンクトペテルブルク(SP)

サンクトペテルブルクは、カタカナで書いても長いですが、アルファベット表記でも長く、グローバルではSPと略されることが多いようです。

SPの歴史

サンクトペテルブルク(以後SP併用)は、ネヴァ側のバルト海に注ぐ沿岸に立地し、当時の海運貿易都市であったノブゴロドに代わる貿易拠点として開発されました。それが1700年台初頭と言うことですので、せいぜい300年ちょっとの歴史しかない比較的新しい都市になります。

元々は荒れ果てた沼地だったと言うことですが、スウェーデンとの戦いに勝利後に、ここを首都に定めたということです。歴代ロシア皇帝は帝都サンクトペテルブルクの整備を続け、冬宮の一部は現在エルミタージュ美術館になっています。もともとの戦争当時の名残としてペテロパブロフスク要塞、ロシア正教系の宗教施設も多数作られ、また、近年ではマリインスキー劇場の様な文化・演劇にも発展しています。

立地・アクセス

上記地理的な特徴ですので、ロシアの数少ない沿岸都市であり、広大なロシアの領土の中で、フィンランド、エストニア国境にも程近い立地になります。

サンクトペテルブルグはフィンランドの首都であるヘルシンキとの間で国際高速鉄道(アレグロ)が運行されており、4時間で行き来できます。一方で、現首都であるモスクワとも高速鉄道サプサン(Sapsan)で4時間、飛行機で1時間でつながり便利です。

バルトの国々

ヘルシンキからは、海路でエストニアのタリン、スウェーデンのストックホルムなどへもつながります。さらにはエストニアのタリンとラトビアのリガはバスで4時間でつながります。今回はSPを中心に、北欧というか東欧というかバルトの国々を巡ってみようという方向になりました。各国、各都市を調べてみました。

フィンランド

ムーミン、サンタクロースなどのキャラクターと、マリメッコやイッタラといったオシャレな食器で有名な国であり、首都のヘルシンキは100万人以上が住む都市圏としては最北というのも特徴です。サンタクロース村は、かなり離れた立地で、ちょっと気楽にアクセスするのには距離があります。

ヘルシンキの見どころとしては、教会関係と、スオメンリンナ要塞、あとは、むかーし「かもめ食堂」という小説とその映画で一時期注目されたことがありました。スカンジナビア3国ほどではないにしろ物価はなかなかお高めで長居は無用、バルト海に面した立地で、国際航路をいくつか持ちますので、それらを利用して旅程を考えたいところです。

エストニア

バルト三国の一国であり、人口130万人強の小国です。かつては、ソビエト連邦に所属、連邦崩壊直前の1991年に独立回復を宣言、自治権を取ってからはまだ30年ほどしか経っていない感じです。そうした経緯から、人口密度の低さから必要に迫られての電子政府が進んでいることでも有名でITとしてはかなり進んでいる国とされています。スカイプ発祥の地でもあります。

国としての見どころは、ネイチャー系が多く、ヘルシンキとのアクセス地であるタリンは、旧市街がタリン歴史地区として世界遺産登録されています。ヨーロッパの中では物価はそれほど高くなく、ヘルシンキから買い出しに来る人も結構いるようです。

ラトビア

ラトビアもバルト三国の一国、エストニアの南側に隣接する国で、エストニアよりちょっと前の1990年にソビエト連邦から独立しています。人口は190万人、宗教は、プロテスタント、ローマカトリック、東方正教会、他がほぼ均等で、結構自由です。エストニアよりもさらに物価は安く、旅行者としてはありがたい環境です。

首都であるリガは「バルトの真珠」と呼ばれている美しい都市で、リガ歴史地区として世界遺産にも登録されています。歴史地区の一区画はユーゲントシュティール(アール・ヌーヴォーのドイツ語表現)建築物なども見どころです。一方で、ソビエト連邦時代の建物や、当時ラトビア領内にあったドイツのツェッペリン飛行船の格納庫が移築されて使われているリガ中央市場など、バリエーションは豊富です。リガ以外はちょっとお手軽な見所は見当たらないですかね。

リトアニア

ラトビアに南側に隣接し、バルト三国の3つ目です。人口は270万人で、ローマ・カトリックが85%以上とプロテスタント優勢の北欧、正教会系が多い東欧という中では珍しい国です。バルト海には隣接しているものの海岸線は短く、首都のヴィリニュスも交易とは関係なしに発展しています。

首都であるヴィリニュスは、リトアニア大公国の居城と起点として発展しており、他のバルト三国の首都と同じ様に旧市街はヴィルニュス歴史地区として世界遺産登録されています。今現在は、金融都市として競争力をつけようとしているようです。

ヴィリニュスの他に、カウナスは第二次世界大戦中に当時の日本領事館で杉原千畝により、ドイツの迫害によりポーランドなど欧州各地から逃れてきた難民たちに通過ビザを発給したこと地として有名です。また、十字架の丘で有名なシャウレイもあり、それなりに見どころは多いですが、アクセスはあまり良くないです。

出典 : リトアニア政府観光局サイトより

スウェーデン

首都であるストックホルムは、ヘルシンキからオーバーナイトの旅客船でアクセス可能で、都市圏人口は200万人を超えサンクトペテルブルクに次ぐ大きな都市です。規模も大きいということでかなり見どころが多く、せっかく行くなら腰を据えてみて回りたいところです。ヘルシンキ、タリン以外との都市間アクセスは飛行機が中心であり、荷物を抱えての移動はちょっとめんどくさい感じです。

出典 : スウェーデン観光局サイトより

プランニング

というバルト海周辺国を組み合わせて10日間ちょっとでの周遊ルートを考えました。

必須なのは、メインのサンクトペテルブルクと、高速鉄道で移動が容易なモスクワとヘルシンキです。あとどこまで回れるかですが有益なパーツがこちらになります。

タリンクシリアラインの客船

ヘルシンキ ⇔ ストックホルム、タリン ⇔ ストックホルムはオーバーナイトで1日1便で繋いでいます。やはり一晩使うということで、それなりの移動時間&コストがかかります。

ヘルシンキ ⇔ タリンは所要時間2時間で、1日7便程度の多頻度運行です。その中で最終便は22:30発で深夜0:30には目的地に着岸するのですが、朝の6時まで客室が使えるプランがあります。こちらはそれほど高くなく、宿代わりにすれば移動中のプライベート空間を維持できるとともに、オーバーナイトフライトと同様の効率的な移動&宿泊が実現できます。

タリンクのフェリー客船

タリン ⇔ リガのバス

東ヨーロッパでは鉄道があまり充実していない分長距離バスが充実しています。その中でLux Expressは、プレミアムシート的なものが用意されており快適に移動できます。そして、タリン ⇔ リガ間で、リガ側のバス停は、リガの社会主義時代に造られた現ラディソンブルラトビアリガホテルの脇になっており、ここを滞在ホテルとすれば移動もしやすいです。

上海一泊やむなし

中国東方航空のモスクワ行きは12:00発でどうしても当日乗り継ぎは間に合わず、往路で上海1泊は必須になります。普段であれば大喜びでストップオーバーしますが、上海は前年にも訪れていましたので今回は最低限の1泊で。ただ、せっかくですので浦東(プードン)までは行き、外灘を対岸から見てみようと思います。

全体の組み立て

大きな方向としては、ヘルシンキ/タリンからストックホルム方向をつなげるか、ラトビア、リトアニアと南下する方向につなげるかという部分ですが、ストックホルムは大都市でありSASのハブ空港でもあるので今後も行く機会はあるということで、ラトビア、リトアニア方面につなげることにします。

上海1泊、モスクワ2泊、サンクトペテルブルグ3泊はほぼ確定として、、、残りのバルトの国々をどうするか、、、11日前後で見ると9泊となりヘルシンキ1泊、タリン1泊、リガ1泊だと、ちょっと忙しないです。毎日荷物を引き回すことにもなりもうちょっと工夫したいところです。

リトアニアは、せっかく行くならシャウエンの十字架の丘もみたいけど、田舎なので公共交通機関で行こうとするとなかなか時間がかかりそうです。また、リトアニアまで回る場合は、タリン、リガなどを経由して行くことになるので、どうしての日程的に詰め込み過ぎになるかと。SPをメインにおいて多少日数を取る場合にはここまでは辿り着けないかなという印象です。

で、旅行の最後に忙しくなるよりも、元気なうちに忙しいところを周り、SPでゆっくりする方がいいだろうと、(モスクワ) → リガ → タリン → ヘルシンキ → SP → モスクワの順に回ることとしました。

そして、先の荷物取り回し回避のために、夜遅く到着するリガは2泊とし、中日丸1日の観光時間を確保するとともに、最終日は朝一ホテル隣接のバス停からタリンに向かい、昼から夜までタリン観光、その晩はタリンクの客船泊としました。翌日は1日ヘルシンキ観光後、1泊後翌朝SPに向かうことにします。結果的に以下のプランとなり、出来るだけ抑えたはずが11泊12日となかなかの旅程となりました。

東京 → 上海(1泊) → (モスクワ) → リガ(2泊) → タリン → 客船(1泊) → ヘルシンキ(1泊) → SP(3泊) → モスクワ(2泊) → フライト(1泊) → (上海) → 東京

VISAの取得

前回は、モスクワのみでホテルも1ヶ所だったため、VISA申請に必要なコンファメーションはホテルに依頼しましたが、今回は、サンクトペテルブルグ、モスクワと2ヶ所の滞在、往路はモスクワトランジットで乗り継ぎにしくじった場合に入国できる方が安全ということで、念の為ダブルエントリーにしました。

空バウチャーを使ってVISAを取得しました。VISAの取り方に関してはこちらを参照ください。

まとめ

サンクトペテルブルク(SP)を中心に周辺を巡る旅程を考えました。SPはモスクワ、ヘルシンキと高速鉄道でつながっており、これを機に世界の車窓からの鉄道旅を楽しみたいところです。

ヘルシンキは、エストニアのタリンまでフェリーで2時間、タリンからラトビアのリガはバスで4時間とこの辺はそれほど苦労せずに繋ぐことが可能です。今回は、こうした陸海の移動を駆使しこれらのバルト海沿岸の国々を巡ることにします。リトアニア、スウェーデンはまたの機会に、、、

やはりそれぞれ見どころはそれなりに多く、訪問国は削ったものの全体としては11泊12日の旅程となりました。前半は忙しいですが、荷物の取り回しはそれほど大変ではないルートで、メインのSPは3泊でメリハリは付けられたかと思います。

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