Allegro (アレグロ) 782 (ヘルシンキ → サンクトペテルブルク) 2nd Class 乗車記

リガで冷たいソ連時代の建築物とハンザ同盟時代の貿易での優雅な街並みを楽しみ、タリンではご当地料理とメルヘンチックな旧市街を散策、ヘルシンキでは洗練された都市に安心感を持ちつつも物価の高さに撃沈し、いよいよこれから今回のメインの目的地であるサンクトペテルブルク(SP)に移動します。まあ計画としては、SPへアクセスでできる都市の中からヘルシンキを選択して、その先に、、、という感じで逆方向で組み立てましたが・・・

そしてヘルシンキを選択したのには、バスではなく、高速鉄道Allegroがあり大きな荷物を持っていても快適に移動できるというのが理由の一つにあります。

Allegro

アレグロは、フィンランドとロシアとの共同開発で、ヘルシンキ、サンクトペテルブルグを3時間半で結んでいます。高速鉄道ではありますが、最高速度は220km/hということで日本の新幹線やドイツのICE、フランスのTGVなど各国の300km/h前後の高速鉄道に比べると1段見劣りします。

フィンランド、ロシアの軌間は、フィンランド1,524mm、ロシア1,520mmで、素人目には誤差でいいじゃんと思うものの、高速運行においてはこの4mmも無視できない差異で、なんらか対応が必要、またプラットフォームの高さもフィンランド550mm、ロシア1,100mmで違いがあり、双方に対応できるよう設計されたということです。国ごとに規格が違うと確かに大変そうですね。

予約

席の埋まり具合によってかなりお安いプライスが出ていることがあるので、旅行で早めに確定できるのであれば事前に予約するのがベターです。今回私たちは、朝一のあまり人気のない便にしましたが、1人当たりEUR 39.01(当時のレートで5,500円)という価格でした。

予約は、VRというフィンランドの鉄道会社(フィンランド政府100%保有)のサイトで購入できます。

座席は購入するときに指定できたと思います。

ヘルシンキ中央駅

ヒルトン最寄りの地下鉄駅からヘルシンキ中央駅に向かいます、スタイリッシュなデザインです。電光掲示にはあと何分で次の電車が来るのか表示されます。只今の時間は5:42ということで出発まで30分ですが、次の電車が1分で来てヘルシンキ中央駅には5分で着くので十分間に合います。

ヘルシンキ中央駅に到着しました。さすがに朝6時は人気が少ないです。それにしてもこちらの駅もシンプルなデザインでスタイリッシュです。

サンクトペテルブルク行きは、、、8番線、すでにネット決済、Eチケットも印刷してきていますのでそのままプラットフォームに向かいます。当然のことながらロシアはシェンゲンにも加盟してないですし、というか多くの国に対してVISAを要求しているにも関わらず、搭乗段階でノーチェックというのが驚きです。

プラットフォームは屋根はありますが、光は通す構造になっておりまあまあ明るいです。

Allegro 782便

アレグロにご対面です。朝の6:12にヘルシンキを出発し、10:48にロシアのサンクトペテルブルクに到着します。距離としては400km程度ですので、東京-京都間くらいでしょうか。

車内 : 2等席

幅広な軌間であるものの車幅はそれほど広くない感じです。新幹線よりも狭い感じでしょうか。ただ、シートは2−2の配置ですので横幅には余裕があります。照明が暖色系で落ち着ける良い空間です。ヘッドレストも高さが変えられますし快適です。

シートの向きは、全席が車体中央を向いて固定されている形式です。日本では回転させたり背もたれを動かして進行方向にシートを向けるのが一般的ですが、ヨーロッパの鉄道ではそんなめんどくさいことはせず、常に半分は後ろ向きですがあまり気にしません。当初成田エクスプレスもこの中央向き固定タイプでしたが、日本人には合わなかったのか最新版では向きが変えれるように変更されました。

乗り込んだ際は結構ガラガラでしたが、続々と乗り込んできて最終的にほぼ満席になりました。

世界の車窓から

北緯60度という緯度の高い場所ということで針葉樹林の中を進みます。

フィンランド側は道中大きな都市などはほとんどなく特に見どころはないですがそれが分かったことも成果です。スーパーで買った朝食のパンをつまみつつ、本日午後に予約していますが、今まで予習する時間がなかったエルミタージュ美術館の収蔵品を付け焼き刃で勉強します。

荷物チェック/イミグレーション

出発から2時間で、フィンランド-ロシア国境まで近づいてきました。だいぶ速度が落とされます。

フィンランド側の国境駅に停車しました。軌間、電気方式が違うのでそうした調整を行なっているのでしょう。あとは、このあたりから荷物チェックと、イミグレーションの手続きが行われます。それぞれ自分の荷物はどれだ?と聞かれ、利用者としてマジョリティのフィンランド人、ロシア人はほとんどスルーですが、大きなスーツケースを持っているレアキャラの東洋人が開けてチェックを受けました。面倒ですがしょうがないです、特に問題なく通過です。

イミグレーションでは、フィンランド、ロシア双方の役人が巡回し、各人のチェックを行います。有効なVISAもちゃんと取ってきていますので、こちらも問題なく終了。パスポートにフィンランドの出国スタンプ、ロシアの入国スタンプが押されました。何かしら不備があったのか1人下ろされていた方がいました、こんな僻地でかわいそうに・・・

そうならないようにVISAはこちらを参照ください。

国境付近はかなりゆっくりと進みます。見張り台やロシアの軍人らしい制服の方が何か作業していました。有刺鉄線で厳重に囲まれているところなどもあり物騒な感じです。

しばらくすると定常運行に入りました。どうやら手続きは全て終えたようです。

世界の車窓から2

ロシア側では、湖畔にお城っぽい建物、きれいな集落などそれなりに人工物が見られました。

フィンランド駅(サンクトペテルブルク)

予定通りにサンクトペテルブルクに到着です。ロシアでは目的地を駅名としますので、ここの駅名はフィンランド駅という名称です。意外とこの命名理にかなっているともいえます。到着後は、電車を降りて人の流れにのって歩いて行くと、改札もなく、駅舎に入ることもなく街に放り出されます。一方通行で戻れませんので忘れ物にはご注意ください。

キリル文字がロシアにきたことを実感させます。地下鉄でホテルに向かいます。

まとめ

ヘルシンキ-サンクトペテルブルク間は、両国鉄道会社の合弁事業でアレグロという高速鉄道が整備されています。速度自体は220km/hということでそれほど高速とも言えませんが、所要時間としては3.5時間で比較的気にならない時間で移動可能です。

車内は暖色系の照明で落ち着いた感じで快適、ただし、車両の半分の席は後ろ向きですので、気になる方は予約時の座席指定にご注意ください。

国際列車は何度か乗ったことがありますが、いずれもシェンゲン内で実際に電車の中でイミグレーションを行い、スタンプが押されたのはこの時のみでかなりレアと言えます。加えて、ロシア入国にはVISAの取得が必要で、このルートを活用するのは手続きの点では若干難易度が高いかもしれません。ただ、チケットのオンライン予約とVISAが適切に取得さえできていれば、車内での処理は大したことはありません。

サンクトペテルブルクは、そこまでしても行ってよかったと思える都市かと思います。もしそこまでの自信はないという方は、クルーズで訪れる場合はVISAなしでの入国が認められるケースがあるようですのでそうした手段を活用ください。

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